最終更新:2026年2月|読了目安:7分
・詐欺師が「カモ」を選ぶたった一つの基準
・なぜ「弁護士」や「社長」の肩書きに脳は弱いのか?
・現代の錬金術「ポンジ・スキーム」の仕組み
「この世には三種類の詐欺師がいる」
人を騙して金を奪う「シロサギ」。
異性を餌として弄ぶ「アカサギ」。
そして、人を騙すシロサギやアカサギのみを餌とする、史上最凶の詐欺師「クロサギ」だ。
夏原武・黒丸による『クロサギ』は、単なる復讐劇ではない。
プロの詐欺師が使う「ソーシャル・エンジニアリング(人間の心理的な隙や行動のミスにつけ込む技術)」を網羅した、裏社会の教科書である。
今日は、SNS投資詐欺やロマンス詐欺が横行する現代において、あなたが「シロサギ」に喰われないための防衛術を伝授する。
1. 「私は騙されない」という自信が最大の弱点
詐欺師が最も好むカモはどんな人間か?
「お人好し」や「高齢者」だけではない。
実は、「自分は賢いから大丈夫だ」と過信している人間こそが一番狙いやすい。
心理学ではこれを「正常性バイアス」や「自信過剰バイアス」と呼ぶ。
「自分には判断力がある」と思い込んでいる人間は、詐欺師が提示した「もっともらしい理屈(偽の証拠)」を、自分の頭で肯定してしまうのだ。
【クロサギの教え】
詐欺師は嘘をつかない。99%の事実に、1%の嘘を混ぜる。
その1%に気づけないのは、あなたが「99%の事実」を確認した時点で、相手を信用しきってしまうからだ。
2. 脳をハックする3つの心理トリック
作中で描かれる詐欺の手口は、人間の脳の「自動的な反応」を利用している。
特に強力なのが以下の3つだ。
① 権威性(Authority)
人は「肩書き」や「制服」に弱い。
「大手証券会社の元役員」「国税局OBの税理士」「フォロワー10万人のインフルエンサー」。
これらの肩書きを見せられた瞬間、脳は思考停止し、「この人の言うことは正しい」と判断してしまう。
② 希少性(Scarcity)
「あなただけに教えます」「残り3枠で締め切りです」。
詐欺師は必ず時間を区切り、焦らせる。
人は「手に入らないかもしれない」と感じた時、理性的判断ができなくなる。
③ 返報性(Reciprocity)
最初に小さな利益を与える。
「まずは無料で情報をあげます」「配当金が振り込まれました」。
人は何かをもらうと「お返しをしなければ(信用しなければ)」という義務感を感じる。
これが、現代の投資詐欺(ポンジ・スキーム)の入り口だ。
3. 現代のシロサギは「スマホ」の中にいる
『クロサギ』連載当時と違い、現代の詐欺は対面ですら行われない。
LINEグループ、マッチングアプリ、SNSのDM。
顔も見えない相手に数百万を振り込むなんてあり得ない?
いや、彼らはプロだ。
あなたのSNSの投稿から「承認欲求」や「孤独感」を分析し、心の隙間に入り込んでくる。
主人公・黒崎は言う。
「人間が欲望を捨てない限り、詐欺はなくならない」
「楽して儲けたい」「特別な存在になりたい」。
その欲望がある限り、あなたは常にターゲットリスト載っている。
結論:詐欺師を食うための知識(武器)を持て
詐欺から身を守る唯一の方法。
それは「疑う心」を持つことではない。「詐欺師の手口(パターン)」を知ることだ。
手口を知っていれば、「あ、これはあのパターンだ」と冷静に分析できる。
『クロサギ』には、M&A詐欺、財団詐欺、霊感商法など、ありとあらゆる詐欺の構造が描かれている。
騙された後に弁護士に泣きついても、金は戻ってこない。
自分の資産とプライドを守るために、まずはこのマンガで「敵」を知れ。
詐欺師を喰らう知識こそが、現代最強の防具になる。

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